中医学では、人体の構成成分を「気・血・水」の三つと考えて、三者のバランスがよいと 健康が保たれ、バランスが崩れると不快な症状や病気になる!と捉えています。
心、脳血管障害(狭心症・心筋梗塞・脳梗塞等)は寒い冬に多発しますが、暑い夏こそ油断大敵です。汗をかくと、汗と共に気(エネルギー)も漏れ出るので、体は消耗し、心臓に負担がかかるので、動悸・息切れ、だるさや疲れが出ます。
「気がめぐれば血もめぐる。気が滞れば血も滞る」といわれる様に、気の消耗に伴い血も消耗します。
血液は全身をかけ巡り、体に栄養と酸素を送り老廃物を除去します。ストレスが強いと血液の流れが悪くなるし、また暑さで大汗をかくと身体の水分が減少し、血液は濃縮されドロドロの状態となり流れが悪くなります。こうなると老廃物がたまり、すみずみまで血液が届かなくなり、凝り、冷え、痛み、しびれ等の症状が出たり、血栓や梗塞を引き起こします。
漢方でこの血の滞りを「瘀血(おけつ)」といいます。 「瘀血(おけつ)」を除去し血液をサラサラにする漢方薬として〝丹参(たんじん)〟が主薬の「冠元顆粒(かんげんかりょう)」があります。丹参は特に脳や心臓の血流を良くし末梢血管を拡張します。
また、水分(体液)不足による 血液ドロドロ状態や体力消耗には「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」が良いです。 気を補い体力をつける人参(にんじん)と、体液を増し濃縮した血液を薄める麦門冬(ばくもんとう)と、皮膚から汗と気が漏れるのを防ぐ五味子(ごみし)から成ります。血液を送る力を強めて血 のめぐりを良くし、夏バテによる動悸・息切れ等を改善していきます。
水分不足の方(特に高齢者) は消化吸収力が悪いので、大量に水を飲むとかえって調子が悪くなります。スイカ・メロン・ キュウリ等の水分を多く含む食品を摂ると良いです。
一方、血栓予防には、ほうれん草、玉ねぎ、にんにく等の香りの強い野菜や青身の魚(いわし、さば、 ぶり)が非常に良いです。バラ ンス良く、規則正しく食べて、できるだけ加工食品は使わない事が大切です。